介護する人される人、日々の介護生活の中でふと心に浮かんだこと、ある出来事の情景を詠んだ「介護百人一首」。
冬編その一。岩手県奥州市の遠藤カオルさん(64歳)の歌「こんなにも太き指かと盲ゆく父の手つつみ湯呑み握らす」米作りを続けて私を育ててくれた父の指は、こんなに太かったんだと。ほとんど視力のない父の手をつつみ、感謝の気持ちを込めました。ほかの歌をご紹介します。介護のやさしさに触れてください。
冬編その二。大分県臼杵市の渡辺美智子さん(84歳)の歌「柊の花の匂えるわが庭に車椅子もて里帰りする」脳梗塞の後遺症があり施設で暮らしています。久しぶりに帰宅が許された日、庭の隅の柊(ひいらぎ)がひっそりと小さな花をつけて匂いを放ち、待っていてくれました。ほかの歌をご紹介します。